健全な信仰ゆえに前向きになれる人と、自己中心や劣等感から何でも否定したがる人とを区別するためには、どんな感情を持っている人であるかを知ることが役立つ。
〔前向きな感情〕 〔否定的な感情〕
信念 楽天主義 悩み 厭世主義
希望 親愛 絶望 敵意
愛 ユーモア 怒り[憎しみ] 緊張
信頼 自尊 疑惑 自責
確信 慎重 冷笑 軽薄
勇気 自由 恐怖 奴隷化
喜び 認容 悲しみ あらさがし
上機嫌 賛辞 不機嫌 批判
安心 大望 不安 無気力
自信 寛容 悩み 非難
賞賛 気前のよさ 嫉妬 欲張り
決断 熱望 あきらめ 引込み思案
感謝 不平
人が常に前向きでいられるためには、普段からどんなものを読み、どんなことを講演会やテレビ番組で聞き、どんな友人たちとどんなことをしているか、そしてどんな信仰を持っているかが大きく影響する。更に、色、言葉、建築様式、美術、音楽、ときには風景さえもが、前向き、あるいは否定的な感情を刺激する振動を送りだすという研究もなされている。もっとも重要なことは、あなたがつね日ごろ選んでいる言葉の用い方が否定的な感情を生むか、それとも積極的な振動を生むかということである。あなたの会話をチェックしなさい。言葉というものは積極的な振動も生むし否定的な振動も生むものである。あなたはどんな話をする人だろうか?
かつてシューラー博士は、父親を亡くして間もないころ、ある友人に、「私は父を失いました」といったことがある。すると友人は、「『失くした』という言葉をけっして使ってはいけません。それは否定的な言葉です。あなたのお父さんは『失くなった』のでもないし『死んだ』のでもありません。あなたのお父さんは『神の国に移った』のであり、あなたはいつでもお父さんを『思い出せる』のです」と。
否定的な感情を口に出すと、否定的な力の勢いを強めることになる。それとは反対に、前向きなことを強く口に出していうことは、否定的な感情を、追い払ってしまうことになるのだ。そして、前向きな心構えを持つとき、天の父なる神様と調和して、神からの力を得て生きられるようになる。
結婚の感情的なトラブルが起こった場合も同様である。否定的な感情に身をゆだねてはいけない。「私はもう妻などは愛していないんだ」などということによって、否定的な感情に生命を与えてはならないのである。そうではなく、このように断言することである。「彼女に対する私の感情は変わっていきつつある。私は彼女に対する自分の新しい感情のことはよくわからないが、このことだけはわかっている。―彼女はたくさんのすばらしい特質をもっているはずだ。そうでなかったら私は彼女と結婚するはずはなかったのだから…」と。
ロバート・H・シューラー『あなたは思いどおりの人になれる』(産能大学出版部刊)より